外国人の日本体験 Experiences in different cultures
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ヨンフンさん

外国人に似た日本人と
日本人に似た外国人


by クォン・ヨンフン(在日韓国)

 私が以前勤めていた会社に、日本国籍を持つ、日本人とアメリカ人のハーフの同僚がいました。当時、私は20歳で、彼は40歳でした。彼はとても激しい気性の持ち主で、若いときは「極道」をしていたそうです(当時はすでに引退してました)。身長185センチ、体重は優に100キロを超えていました。

 サービス精神旺盛な人で、冗談を言って人を笑わせるのが好きでした。頭の禿げ上がっていた彼に、頭の手入れはどうするのかと聞くと、彼は関西弁で
「電気ヒゲ剃りに決まっとるがな〜。しょーもないこと聞かんといでくれる」
と青い目をパチクリさせながら言いました。

 大阪での話をたくさんしてくれました。
  学校で「アメリカ人」と言われ、石を投げられていじめられたと言ってました。一緒にいじめられた在日の子供達と仲良くなったそうです。
  「大阪に戻ったら在日の友達はぎょうさんおるんや」
  でも極道を抜けたので、当分戻れないと悲しそうでした。

 ある日その彼と車に乗り、上野駅前の路上に停車して人を待ってました。そこへ警察官が近寄ってきました。どうやらそこは駐車禁止区域だったようです。
  運転席にいた私に何をしているかと聞いてきたので、人を待っていると警察官へ告げました。警察官から運転免許証の提示を求められたのですぐに応じました。私の運転免許証を見た警察官は、外国人登録証の提示も求めました。私はその要求にもすぐに応じました。二つのカードを確認終えた警察官は、助手席に座っていた同僚にいいました。
  「Your 外人カード?」
  すると同僚は私の座る運転席側へ身を乗り出して、今まで聞いたことがないような大きな声で警察官を怒鳴りつけました。
  「じゃかーしーわい!わしゃーはこう見えてもニッポン人や!」
  警察官はしどろもどろの謝罪の後、スゴスゴ退散しました。

 彼は警察官を怒鳴りつけた理由を説明をしてくれました。
  一つ目の理由は、運転免許証の提示だけならよかったのだが、外登(外国人登録証)まで提示を求めたこと。心優しい警察官なら、そんなものは要求しないと言ってました。
  二つ目は、彼の人生ではこのような経験は数え切れないほどあって、いわばこれは彼流の「教育」だそうです。

 私は今35歳ですが、今まで警察官に外登の提示を求められたのは、この件以外では1度か2度しかありません。ほとんど要求してきませんでした。
  私と彼の共通相違点が見えました。
  私は特に言わなければ誰もが日本人と思うでしょう。でも私は韓国人です。
  彼は特に言わなければ誰もが外国人と思うでしょう。でも彼は日本人です。