外国人の日本体験 Experiences in Japan
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その日に別れが待っている - ワリカンに見る中日の違い
by 崔貞愛(中国)

崔貞愛さんの顔写真

 みなさん、日本で「ワリカン」という言葉を聞いたことがありますか。ワリカンは個別会計、つまり一人一人でお金を払うことです。

 この事について話そうと思った理由は、中国と日本では文化や風俗で異なっている点が多数ありますが、ワリカンは最も日常的なものだと思ったからです。
 私は現在ファミリーレストランでウエートレスのアルバイトをしていますが、日本人のお客様が別々に会計し、またレジにもそれに対応できる機能が備わっていることに大変おどろきました。

 中国では必ずだれか一人の人がまとめて会計をします。大抵は目上の人が代表して支払います。例えば友人同士五人で食事をした場合は、一軒目はAさんが、二軒目はBさんが払うといった具合に、店ごとで分けて支払うという考えが徹底しています。

 先ほど例えに出したグループが男女混合の場合、また違ってきます。この場合は男性がすべて支払いを済ませます。仮に男性が支払いを拒み、ワリカンにしようものなら、中国では総スカンをくらってしまいます。恋人同士ならば、その日に別れが待っていることでしょう。それだけ中国では、男性がすべてするという考えが常識になっています。中国の学生のみなさんそうですよね。

 私が日本人の友人に聞いたところ、日本人の場合、なんでもない友人におごってもらうのはいやだと言う女性もいました。また、男性でもなんでもない友人におごるのは嫌だといってました。どちらも中国では考えられないことです。日本の男性はとても楽だと思いました。

 逆に日本人に質問を受けたことがあります。それは例えば学校の歓送迎会などのときはどうするのか、それは日本人と同じで会費制でやっています。さすがに二十人や三十人も集まっているのにすべて一人で出すのは大変だからです。日本にも男性や目上の人が支払うという風俗はあるようですが、中国ほど日本では徹底されていないようです。

 こんなささいなことでも、中国と日本では考えや文化の違いがあります。私はこの先日本で勉強しながら文化や風俗といった日常生活に根付いたものも学んで帰りたいと思います。

(注)2003年9月19日に開かれた東京ELS日本語学校スピーチコンテストで優秀賞を受賞した内容です。